理事長からのご挨拶


公益財団法人 大山健康財団
理 事 長    神 谷  茂

Prof.Kamiya-photo 本年1月1日の能登半島地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も昨年5月に2類相当から5類へ移行しましたが、当分の間は感染予防の観点から厳しい財団運営を強いられることになります。何とぞご支援の程、宜しくお願いいたします。
 本財団は大山梅雄氏(1910~1990年)の寄附により、昭和49年(1974年)8月8日厚生省より認可され、財団法人大山健康財団として発足し、平成25年(2013年)4月1日からは、公益法人制度改革に伴い内閣府より新たに公益財団法人としての移行認定を受け、公益財団法人大山健康財団として再出発しております。
 大山梅雄氏は事業を展開するにあたり、自ら理事長として、浅見敬三博士(当時、慶應義塾大学医学部寄生虫学教授、後に医学部長、東京都寄生虫予防協会理事)の協力を得て、予防医学的研究および健康増進に関する事業を援助、推進して人類の健康と社会の福祉に寄与することを目的とし、目的達成のため学術研究助成事業と顕彰事業を行うことといたしました。
 学術研究助成事業として大学、研究所などで行われている学術研究のうち、一般細菌感染症(令和4年度より真菌感染症を追加)、ハンセン病、リケッチア症、寄生虫病などの研究を対象として研究助成金を贈呈すること、顕彰事業として大山健康財団賞、大山激励賞を創設して予防医学、公衆衛生の分野で国内または発展途上国において感染症の学術研究、普及、啓発に顕功のあった人、並びに団体(平成25年度より個人に変更)を顕彰すること、また感染症研究者の国際学会への派遣や招聘、感染症関係の国際会議への協力に浅見敬三記念Grant(Asami Grant)を贈ることなどとしました。
 なお、公益財団法人移行後は、これに学術集会支援事業を追加し、予防医学、感染症(細菌令和6年度より真菌を追加、寄生虫)、特に発展途上国における感染症の疫学研究、顧みられない熱帯病等に関する学術集会に対する支援、助成を行っております。
さらに、平成30年(2018年)3月20日に急逝された竹内勤前理事長の遺徳を永く記念すべく竹内家からの私財寄附により、新たに竹内勤記念国際賞を創設いたしました。
 令和6年(2024年)3月14日に開催されました令和5年度(2023年度)公益財団法人大山健康財団贈呈式において、大山健康財団賞(賞状・副賞100万円・記念メダル)、大山激励賞(賞状・副賞50万円)、竹内勤記念国際賞(賞状・副賞30万円)、学術研究助成金(1件100万円・10件総額1,000万円)を授与し、また、令和5年(2023年)5月にAsami Grant(1件30万円)、同6月には学術集会支援助成金(総額100万円、3件)を授与しております。
大山健康財団発足後50年間で、学術研究助成金431件、総額425,750,000円、大山健康財団賞受賞者49名、1団体、大山激励賞受賞者37名、1団体、竹内勤記念国際賞6名に贈呈して参りました。
 また、Asami Grantの主なものとして日中寄生虫病学セミナー、日中国際微生物会議、国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)海外派遣団などであります。
 本財団では、平成27年(2015年)3月にこれまでの事業を集大成した「公益財団法人大山健康財団40年のあゆみ」を刊行したのに続き、令和元年(2019年)12月には「公益財団法人大山健康財団45年のあゆみ」を、令和6年7月には「公益財団法人大山健康財団50年のあゆみ」を刊行しました。
 さらに、本年8月8日に「財団創立50周年」を迎えるのを記念し、篤志家からの寄付金を基に、感染症各分野の専門家の協力により本年7月に「熱帯の感染症」を刊行し、全国の高等学校(約5000校)に寄贈しました。10月24日には「財団創立50周年記念式典・記念祝賀会」を開催する予定です。
 大山梅雄氏の遺徳を偲び、事業の発展に尽力された歴代の顧問、理事、監事、評議員、選考委員各位ならびに事務局員に改めて感謝申し上げますとともに、今後とも本財団の発展に変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和6年(2024年)7月

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