その他の国際貢献(1994~2003年度)

1974~1983年度 1984~1993年度 1994~2003年度 2004~2013年度
2014年度~2015年度 

1994~2003年度

1994年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学生組織)へGEANTの贈呈
  期間:平成6年7月15日~同年8月28日
  派遣内容
  イ.アマゾン河流域における臨床体験実習
  ロ.ブラジル・ボツカツにおいて学術講演及び学術交流
  ハ.メキシコシティにおいて、大気汚染の現状調査
(2) 鈴木了司 高知医科大学名誉教授にGRANTの贈呈
 鈴木名誉教授は、Feng Zheng(上海寄生虫病研究所長)、許隆祺(上海寄生虫病研究所副研究員)とともに、「南支の土壌の寄生虫卵汚染調査」を実施、3調査地(貴州省・都勹、四川省・南川、浙江省・余姚)ともに20戸(合計60戸)の家屋の内・外各7ヵ所(庭・玄関の敷居・居間・寝室・台所・トイレ・家畜小屋)の土壌10グラムを採取し寄生虫卵の調査研究を実施した。その結果は次のようである。
  都勹(1622.5,EPG 1.2)
  南川(1099.2,EPG 0.18)
  余姚(249.0,EPG 0.2)
  (注)EPG:1グラムの糞便中の虫卵数、また虫卵の汚染が最も高いのはトイレで小・中学校の調査でもトイレであった。野菜市場で虫卵が検出されたが食肉市場には無かった。その他、線虫・条虫・鞭毛中のシスト・鼠の寄生虫卵等が検出された。対策は、トイレの設置・屎尿処理・衛生教育・鼠族駆除。
(3) 横田 曄 国立大蔵病院名誉院長が会長である「高齢者福祉の街づくり研究会」にGRANTを贈呈
 東京都町田市、川崎市高津区の小田急沿線をモデル圏として老齢化社会対策の研究を意図し、医療・行政側の対策が住民側に受入れられやすくするためのフォーラムを計画実施した。その結果、縦割り行政の非能率性、地域区分不合理性が、浮かび上がってきた。
 第1回フォーラムは平成4年12月、第2回フォーラムは平成6年2月にいずれも町田市及び医師会の共催で開催、多くの市民の参加を得た。今後も町田市、川崎市にて、同様のフォーラムが開催される予定である。
2.琉球大学医学部第一内科 古波蔵紀子医師をタイ・チェンマイ大学医学部に派遣
 熱帯感染症の研修、又、HIVキャリアに発症する日和見感染症の原因となる微生物の分離・培養を行った。
  期間:平成6年6月19日~同年8月15日
  研修先:チェンマイ大学医学部附属病院(内科、寄生虫、細菌学)
古波蔵医師は、チェンマイ大学より修了証を授与された。
3.中国瀋陽市より研修生受入れ
 平成5年度・6年度の2ヵ年にわたるこの研修事業は次の2名の中国研修生に対して実施され大きな成果をあげた。
①高  軍 (男)41歳
   略   歴
  1967年8月 瀋陽市保工街第三小学校卒
  1970年8月 瀋陽市100中学校卒
  1973年8月 瀋陽市4中学校高校卒
  1979年8月 中國医科大学卒
  1979年9月~1985年9月 瀋陽市伝染病院 伝染科医師
  1985年9月~ 現在 瀋陽市伝染病院伝染科主治医師
②斉 宏業 (男)37歳
   略   歴
  1981年12月 瀋陽医学専門学校衛生学部卒業
  1981年12月~1984年7月 瀋陽市衛生防疫站 医師
  1988年7月 瀋陽医学院予防医学部卒業
  1988年7月~1989年7月 日本国埼玉県川口市前上町太陽堂で研修
  1989年7月~ 現在 瀋陽市衛生防疫站
特記事項:斉宏業氏は研修期間6ヵ月を特願して延長12ヵ月の研修となった。
別添資料-エ、研修先慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学教室竹内教授の願書の通りで本財団の援助が継続された。
1995年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学生組織)の第18次南米派遣団にGRANTを贈呈
  期間:平成7年7月14日~同年9月3日
  派遣内容
 イ.南米各地の非都市部(ブラジルのアマゾ
ン中下流域、インディオ居住地、ペルーのア
ンデス山岳地域など)における巡回医療活動に参加
 ロ.医学生会議(第8回日伯医学生会議、第10回中南米医学生会議)に参加し、日本の医療の現状を報告するとともに、中南米医療の現状を把握。
(2) 高知医科大学鈴木了司名誉教授と共同研究者中国予防医学科学院寄生虫病研究所(上海市)にGRANTを贈呈
 中国では、公衆衛生の観点から、三槽式トイレの普及が図られてきた。このトイレは、第1、第2、第3の各槽を槽壁上部にあるパイプでつなげ、醗酵により寄生虫卵を殺滅するだけでなく、第1槽に虫卵を沈下させ、第2、第3槽に流れ出ないようにしてある。最近、経済的発展に伴い三槽式トイレが水洗化されはじめ、生活用水や、雑排水までもが槽内に流れ込む構造のものが作られはじめた。
このため虫卵が殺滅されず、沈下もせずに環境を汚染する可能性がでてきた。江蘇省江寧県の回虫感染者がいる10家庭の水洗式三槽式トイレの内容、排出物内の虫卵の有無・生死を調査検討した。
(3) 国立大蔵病院名誉院長横田 曄氏が主宰する「高齢者福祉の街づくり研究会」にGRANTを贈呈
 同研究会は平成7年10月28日に川崎市高津区において第3回のフォーラムを開催、スウェーデンより講師を招いた。なお3月24日には、町田市において「訪問介護ステーション」をテーマに第4回のフォーラムを開く。さらにこの運動を秦野・伊勢原地区にまで広げる予定である。
2.タイ・チェンマイ大学医学部への派遣プロジェクトに協力
 最近日本にない伝染病などを勉強することが目的で、琉球大学医学部第一内科の宮城啓医師を同大学に派遣した。
 同医師は平成7年6月25日より8月21日まで約2ヵ月間熱帯地域において、日本では経験できない数多くの症例を見、感染症の実践を学ばれた。
3.中国瀋陽市より下記の2名の研修生を受入れた
  研修生:劉 明 (女)1955年11月20日生
       瀋陽市伝染病院 医師
     王 萍 (女) 1963年8月31日生
       瀋陽市衛生防疫站 医師
  研修先:東京都立駒込病院 内科
       同上    感染症科
  期間:平成8年1月11日~同年7月10日
1996年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学生組織)の第19次南米派遣団にGRANTを供与
  期間:平成8年7月13日~同年9月1日
  派遣内容
 イ.ペルーのケチュア族及びチリのマプーチェ族の居住地を訪問し、伝統医療と西洋医療について調査研究を行った。
 ロ.ブラジルのマナウスとレシーフェにおいて救急医療の実習を行い、日本とは異質の救急医療事情を体験した。
 ハ.中南米の医学生と交流を持ち、日本と中南米の医療の現状を把握した。
(2) “日本における寄生虫学の研究”誌第6巻、第7巻の編纂は、本年度は原稿未蒐集のため順延となり、平成9年度事業とする。
(3) 高齢者福祉の街づくり研究会にGRANTを供与
 老人人口が総人口の中で占める割合は、平成7年に既に14.6%であり年々急速な増加の一途を辿っているのに対して生産年齢(15~64歳)人口は漸減の傾向にある。家庭的には、生産年齢層の人は育児、教育に続いて介護に追われる事が推定される。「縦割り社会」と表現される如く、行政・医療人・一般住民が横の協調に欠けている。三者が相互の理解を深めるためのフォーラムを各地(町田市、川崎市他)で開催した。
(4) 中国研修生へGRANTの供与―青木孝評議員の推薦
   高 広漢氏 国籍:中国、年齢:32歳
 同氏は、1988年7月、河南医科大学(寄生虫学)で修士号を取得した後、ただちに河南省衛生防疫站蠕虫病科の医師として研究を開始し、1991年11月には主治医師(講師に相当)となった。この間、寄生虫病のワクチン開発などの意欲的な研究に取り組んだが、問題解決のためには遺伝子工学・先端研究の知識と技術が必須であることを深く認識するに至った。そこで、1995年4月より笹川医学奨学制度の援助を受け当教室で1年間研鑽を積み帰国した。しかし、1年間のみでは十分と言えず、再び来日して現在は私費で研究を継続している。
(5) 「OHYAMA HEALTH FOUNDATION」
 B5判8頁の英文パンフレット1,000部を作成、平成8年11月17日より6日間長崎市で開催された第14回国際熱帯医学・マラリア学会で配布した。同封した「ASAMI GRANT」の応募規約は大きな反響を呼び、ブルキナファッソ・ケニア・スリランカ・マレーシア・インドネシア・オーストラリア等より問い合わせがあった。
2.中国瀋陽市より研修生受入れ
 平成7年度、8年度の2ヵ年にわたり下記の2名の研修生を受入れ、東京都立駒込病院において、肝臓病と感染症をそれぞれ研修し大きな成果をあげた。
  ① 劉 明 (女)
   1955年11月20日生
   1982年12月 遼寧中医学院中医学部卒業
   1982年12月~1991年6月 瀋陽市 伝染病院 医師
   1991年6月~ 現在 瀋陽市伝染病院 主治医師
  ② 王 萍 (女)
   1963年8月31日生
   1981年8月中国医科大学預防医学学部卒業
   1986年8月~1993年9月瀋陽市衛生防疫站 医師
   1993年9月~現在 瀋陽市衛生防疫站 主治医師
3.第10回日中寄生虫病学セミナーに協力
 平成8年6月7日、8日に開催された同セミナーは中国代表団12名(団長:中華医学会 肖副会長)という大型招聘であった。その懇親会席上(6月7日夜)本財団大山理事長は中華医学会より記念品を贈られた。また、本財団評議員青木孝順天堂大学教授は「日中寄生虫病学セミナーの15年」の特別講演を行った。
4.MEMIC(Medical Microbiology Interdisciplinary Commission)シンポジウムに協力
 第8回国際微生物学連合におけるMEMICシンポジウムは、イスラエルの首都エルサレムにおいて、平成8年8月18日に開催された。
主題は、院内感染問題を川名林治先生(岩手医科大学名誉教授、本財団顧問)、アメーバと腸内環境の相互作用を竹内勤先生(慶應義塾大学医学部教授、本財団理事)が担当し、各国の演者と共に多元的な立場から検討された。
5.第14回国際熱帯医学・マラリア学会に協力
 同学会は平成8年11月17日より22日まで
長崎市において開催された。出席者は外国人904名(内日本在住135名)日本人630名、参加国は86ヵ国であった。
「New Goals for the 21st Century―21世紀の医学に向けて」をメインテーマに据えた学会は、大会初日の特別講演3題をはじめとして、6日間に亘り186のセッションにおいて965題の発表が行われた。
1997年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部組織)第20次南米派遣団に供与
  期間:1997年7月18日~9月6日
  派遣内容
   イ.アマゾン巡回診療に従事して未開地において、医学・医療の原点を学んだ。  
   ロ.日伯医学生会議を行い、医師・医学生同士の国際的学術交流を図った。
   ハ.サンタクルース(ボリビア)にあるオキナワ移住地を訪問し、日系人をとりまく医療環境の現状について調査した。他
(2) 高齢者福祉の街づくり研究会にGRANTを供与
 平成4年より本研究会は、地域社会が縦割りのため、横への連絡・協調が悪くしかも地域特性が大きく異なり且つお互いに競合している福祉行政に対して現役を離れた専門家の立場から過去の経験を生かし、そのジョイントの役割を果たして来た。そのため行政、医療従事者、地域住民の三者をとりもつべきフォーラムを開催して成果をあげてきた。
 平成9年度は秦野市で2回、藤沢市で1回、町田市で1回、フォーラムを開催した。
 委員長は横田曄先生(国立大蔵病院名誉院長)である。
(3)“日本における寄生虫学の研究”誌第6巻、第7巻の編纂に協力した。
  (財)目黒寄生虫館は1961年~1965年までに同誌第1巻~第5巻までを出版し高い評価を得た。今回の第6巻、第7巻はそれ以降30年間の日本における寄生虫学の進歩を記述したものである。発刊は1999年2月頃を予定している。
(4)ブラジル・ペルナンブコ連邦大学において内視鏡の臨床専門医養成のため、渡辺守慶應義塾大学客員助教授(慶應ガンセンター診療部長)の派遣を援助した。
  派遣内容は下記の通りである。
  派遣期間 1997年9月13日~9月28日
  派遣内容
  ・9月15日~9月19日 ペルナンブコ連邦大学における内視鏡セミナーコース指導
  ・9月18日 東北伯内視鏡セミナーにおける講演
  ・9月19日 ペルナンブコ連邦大学における講演
  ・9月22日 第21回ブラジル外科学会における特別講演
  ・9月24日 第21回ブラジル外科学会にて、ワークショップにおける講演
  ・9月25日 サンパウロ大学熱帯医学研究所における講演
  申請者 フェルナンド コルディロ(ペルナンブコ連邦大学教授)
  財団推薦者  竹内 勤理事
(5) ケニア中央医学研究所(KEMRI)
生物医学研究センター上級研究員Peter A .Mbati 博士にGRANT供与
同博士はWHOが6大熱帯病の一つに採り上げているリーシュマニア症に対する媒介阻止免疫ワクチンの開発を研究している。
 JICAの推薦により来日、帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター上級コースにおいて、先端分子生物学的技法を修得し、修了後(1997年9月)その技法を有効に応用して媒介阻止免疫ワクチン開発の飛躍的発展をとげるべく研究努力をしている。
  推薦者 蛭海 啓行(帯広畜産大学客員教授)
  財団推薦者 佐々木 正五 顧問
(6) オーストラリア シドニーで開催された第10回国際原虫学会にGRANTを供与
 同学会に出席された発展途上国の感染症研究者の招待費用を援助した。(中国2名、メキシコ 1名、ブラジル 1名、タイ1名)
ちなみに大会参加国は40ヵ国、参加者は414人になり成功裡に終わられたとの報告があった。
  開催月日 1997年7月21日~7月25日
  開催場所 オーストラリア シドニー大学
  申請者  A lan M. Johnson(シドニー大学 教授)
  財団推薦者 小林 昭夫 評議員
(7) インドネシア Dr. Ima Nurisa Ibrahim(インドネシア国立健康・生態研究センター所属)の研究「インドネシアにおけるネズミ由来人獣共通感染症」に対しGRANT供与
  推薦者   森田 千春(酪農学園大学教授)
  財団推薦者 鈴木 黎児 専務理事
(8) ベトナム Dr. Le Van Phungの研究
 「チフス菌の薬剤耐性」に対しGRANT供与
 数年前よりベトナム全土に渡り多剤耐性のチフス菌が大流行している。この流行株はクロラムフェニコールにも耐性で現在ニューキノロンに頼った治療を行っているが、既にこの抗生物質に耐性の株が出現している。原因を分子疫学の立場から調べるため、1998年3月1ヵ月間岐阜大学医学部微生物学教室、江崎孝行教授のもとで共同研究を行った。
  推薦者  江崎 孝行(岐阜大学医学部教授)
  財団推薦者  山口 惠三 評議員
2.第6回日中国際微生物学会議に協力
 第6回日中国際微生物学会議(CJICM)が下記の通り開催されたので協力した。
  開催月日 1997年8月19日~8月21日
  開催場所 北京生物製品研究所
「新しい病原体」、「感染症の予防と治療に関する新しいアプローチ」をテーマに、日本側から27題(参加者40名)、中国側から76題の演題が提出され、活発な発表が行われた。この会の会長である西田尚紀先生(金沢大学名誉教授)が日本側を代表して開会の挨拶をした。
 事務局長は、南嶋洋一宮崎医科大学教授である。 
3.第9回国際寄生虫学会開催に協力
 1998年8月24日(月)より8月28日(金)まで、千葉市幕張メッセにおいて、第9回国際寄生虫学会が開催される。90ヵ国以上からの参加が予定されている大型国際学会である。本財団設立趣意の感染症領域の寄生虫学会なるがゆえに協賛した。
 学会長は辻守康杏林大学医学部教授である。
1998年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学生組織)第21次南米派遣団にGRANT供与
  期間 1998年7月15日~9月6日
  派遣内容
 イ)グアテマラおよびメキシコにおいて家族計画の推進・母子保健向上・子どもの栄養改善に努めているNGOの活動を調査し、国際協力の意義を体験した。
 ロ)ブラジルアマゾン河流域においてトキソプラズマ感染状況について、またペルナンブコ州マカパラーナにおいては住血吸虫の罹患率を調査研究した。
 ハ)第13回ラテンアメリカ医学生科学協会国際会議および第11回日伯医学生会議に参加し、医学生同士の国際的な交流を通じて、日本と中南米の医療の現状について互いに理解を深めた。
(2) 高齢者福祉の街づくり研究会にGRANTを供与
 平成4年より東京都町田市、秦野市、川崎市高津区など小田急沿線をモデル圏とした住民と医療従事者と行政の三者が相互の理解を深めるためのフォーラムを開催、成果をあげてきた。
本年度は2000年4月から発足する“公的介護保険制度”について下記の日程でフォーラムを開催した。
  開催月日 1999年3月13日
  開催場所 町田市健康福祉会館
(3) サンパウロ大学より研修医の受け入れ
 ブラジル、サンパウロ大学のSumie Hoshino Shimizu 教授を熱帯病にかかわる応用免疫学領域の研修医として招待した。1998年8月22日より9月7日まで慶應義塾大学医学部、熱帯医学・寄生虫学教室(竹内勤教授)に滞在した。
(4) MEMIC(Medical Microbiology Interdisciplinary Commission)シンポジウムにGRANT供与
 第4回MEMICシンポジウムが下記のように開催されるので協力した。
  開催月日 1999年4月1日
  開催場所 三井プラザホール(霞が関ビル1階)
「VNC菌(生きているけれど培養できない状態の菌)と新興感染症」をテーマに海外からの招請研究者と国内研究者とによるシンポジウムが行われる。
  議 長 神谷 茂(杏林大学医学部教授)
  副議長 山口 惠三(東邦大学医学部教授)
2.第68回日本寄生虫学会大会が下記の日程で開催されるので協力した。
  開催月日 1999年4月5日~4月7日
  開催場所 自治医科大学地域医療研修センター
  大会長  石井 明(自治医科大学教授)
3.第9回国際寄生虫学会(ICOPA Ⅸ)開催に協力
 同会議が1998年8月24日より8月28日までの5日間、千葉県幕張メッセにおいて開催された。参加者は海外から81ヵ国566名、国内から704名であった。
 基調講演4題、特別講演6テーマ8題、シンポジウム42テーマ225題、ワークショップ11テーマ82題、一般講演495題、ポスター発表414題の発表を通して、個々の研究成果と共に、21世紀に向けて、マラリア・住血吸虫症などをはじめとする制圧の困難な寄生虫病対策の進展のために、どのように先端科学技術を駆使した研究の展開をはかるべきか、また、その成果をいかにして草の根の人々の健康と福祉の向上に役立たせるかについて討議が行われた。
4.第12回日中寄生虫病セミナーが2000年に東京において開催される予定なので協賛の積立金を計上した。
1999年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)
  第22次南米派遣団にGRANTを供与
  期間 1999年7月16日~9月5日
 イ)ホンジュラスにおいて、1998年10月に発生したハリケーン災害の被災地における巡回診療に同行、医療環境や国際医療協力の現状について調査した。
 ロ)ボリビアのサンファン、オキナワ両日系人移住地にて、集団検診を行い、食生活に関するアンケート調査、ヘリコバクター・ピロリの抗体陽性率の分析などを行った。
 ハ)アマゾン河流域無医地区に対するマナウス市による巡回診療に同行し、遠隔地における医療サービスを通じて医学、医療の原点を学んだ。また、日本ではみる機会のない熱帯病(マラリア、リューシュマニア細菌感染症など)症例の数々をみることができた。
 (2)MEMIC(Medical Microbiology Interdisciplinary Commission)シンポジウムにGRANT供与
 第4回MEMICシンポジウムが下記のように開催されたので協力した。
  開催月日 1999年4月1日
  開催場所 三井プラザホール(霞が関ビル1階)
 「VNC菌(生きているけれど培養できない状態の菌)と新興感染症」をテーマに、海外から研究者を招き国内研究者とによるシンポジウムが行われた。出席者約150名成功裡に終了した。
  議 長 神谷  茂(杏林大学医学部 教授)
  副議長 山口 惠三(東邦大学医学部 教授)
 ちなみに、MEMICのルーツといえば、科学連合国際評議会を構成する20団体の中に、国際微生物学連合があり、60ヵ国105の学会が参加している。そして細菌学、真菌学、ウイルス学の3部門に分かれている。MEMICは1986年、この細菌学部門の中に設置され細菌学のみならず真菌学、ウイルス学その他の科学領域との連携を意図する学際機構である。
  初代議長 Solly Faine (Australia)
  2代議長 佐々木 正五(東海大学 名誉教授)
  3代議長 小張 一峰(琉球大学 名誉教授)
  4代議長 神谷  茂(杏林大学微生物学 教授)
(3) インドネシア・ジャカルタ市 YKBにGRANTを供与
 YKBとはインドネシア・ジャカルタ市に所在するNGOで、1985年来、日本寄生虫予防会、東京都予防医学協会、家族計画国際協力財団等の指導協力で日本国で成功した“土壌媒介線虫の集団検査、駆虫”のKnow-Howを学習し実践してきた。
 その成果は1987~1999年の間に検査件数1,371,295件、駆虫件数548,989件に達し、寄生虫陽性率も約80%から18%に減少した。
 たまたま本年度において“橋本イニシアチブ”の戦略として寄生虫疾患のフィールドコントロール政策のパッケージ作成がはじまり、貴重な実験例として脚光を浴びるにいたった。
2.第12回日中寄生虫病セミナーが2001年に東京で記載される予定なので積立金を計上した。
2000年度 1.浅見記念GRANTの供与
 (1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)
第23次南米派遣団にGRANTを供与
同研究会より下記の報告がなされた。
  派遣期間 2000年7月9日~9月3日
  訪 問 国 ガーナ、ブラジル、パラグアイ他
 ・ガーナ野口記念医学研究所訪問
 ガーナには野口英世博士を記念した野口記念医学研究所があり西アフリカ地域における医療研究の拠点となっている。同研究所を訪問し、現地研究者や日本からの専門家との対話を通して、ガーナにおける野口記念医学研究所の役割や今後のあり方について勉強した。
 ・アマゾン河巡回診療船への同乗実習
アマゾン河流域無医地区に対する、マナウス市保健局によるアマゾン河巡回診療船に同乗し、遠隔地における医療サービスを通じて医学・医療の原点を学んだ。
 ・ブラジル国内の感染症研究所見学
 ブラジルのマナウスにおける熱帯病医学研究所を見学し、日本では診ることのできない熱帯疾患について勉強した。
(2) 第7回日中国際微生物学会議(7th Japan-China International Congress of Microbiology)にGRANTを供与した。
 第7回日中国際微生物学会議は下記のように開催された。
  会期 2000年8月4日~8月6日
  場所 上海市上海科学会堂
  開会 中国微生物学会長 Dr. Wen Yu-mai
  日本細菌学会長  Dr. Hideo Hayashi
  日本側41名、中国側約100名の参加者があり両国による講演、および日本側ポスターセッションは盛会であった。
(3) スリランカ国Dr. M. Mahroof IsmailにGRANTを供与
 APCO(Asian Parasite Control Organization)は財団法人日本寄生虫予防会(理事長 大鶴正満)の事業でその会員スリランカ国立コロンボ大学名誉教授Dr.Ismail.の「Sri Lankaの大農園における土壌伝播寄生虫感染の季節的変動についての研究」に供与した。
2.MEMIC(Medical Microbiology Interdisciplinary Commission)シンポジウムが2002年8月フランス・パリにおいて開催される予定で、その協賛金を積立計上した。
2001年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)
第24次南米派遣団にGRANTを供与した。
同研究会より下記の報告がなされた。
  派遣期間・訪問国
   ・2001年7月15日~18日 スイス(WHO・UNAIDS)
   ・7月19日~8月4日 ケニア(KEMRI)
   ・8月5日~9月6日 ブラジル
   (ボッカツ、サンパウロ、マナウス、セアラ州)
  派遣団員:団長 斎藤英胤(慶應義塾大学医学部内科学講師)
国際医学研究会第3次派遣団員として21年前に南米ブラジルを訪れている。
  団員 北村和也、小野滋司、片岡雅晴(各医学部6年生)
(2) MEMIC(Medical Microbiology Interdisciplinary Commission:国際医学微生物学学際会議)シンポジウムに協賛供与する。
 第5回MEMIC(国際医学微生物学学際会議)シンポジウムを平成14年(2002年)7月27日~8月1日にフランス国パリ市パリ国際会議場(Palais des Congres)に於いて開催することとなりました。
 国際的な学術活動のための最も権威ある機関であるICSU(International Council of Scientific Unions:科学連合国際評議会)を構成する26の団体の1つにIUMS(Internayional Union of Microbiological Societies 国際微生物学会連合)があります。IUMSには60ヵ国122の学会が参加しており、細菌学、真菌学、ウイルス学の3部門に分かれて学術活動が行われております。MEMICは1986年、この細菌学部門の中に設置されたもので、細菌学分野のみならず、真菌学、ウイルス学や他の科学領域との学術的な連携を推進させ、医学微生物学研究の発展を目指す機構であります。
 2002年パリで行われます第10回IUMS総会のサテライトシンポジウムとして第5回MEMICシンポジウムを開催いたします。本シンポジウムのテーマとして「ヘリコバクター・ピロリと胃癌」を取り上げます。ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は胃炎を惹起するとともに、胃十二指腸潰瘍の再発および治癒遷延因子として作用します。また1994年、世界保健機関(WHO)により発癌確実因子グループ1として認定されるとともに、1999年スナネズミを用いた感染実験により胃癌発生が証明されています。本シンポジウムではヘリコバクター・ピロリと胃癌に関する研究を精力的に進めている国内外の研究者に疫学、病態、発癌メカニズム等についての基調講演をしていただき、多数の参加者とともに十分な討議を行う予定です。
  MEMIC議長   神谷 茂
      (杏林大学医学部感染症学教授)
  MEMIC副議長  山口 惠三
      (東邦大学医学部微生物学教授)
  MEMIC財務担当 竹内 勤
      (慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学教授)
  ※募金趣意書より抜粋
2.日中寄生虫病学第12回(最終)セミナーが5月25日上海市中国予防医学院寄生虫病研究所で開催された。
 中国側は、所長馮正教授、日本側は、小張一峰理事長、竹内勤慶應義塾大学教授、青木孝順天堂大学教授、原隆昭日本寄生虫予防会理事の各氏が参加し、日中双方の学術講演がなされ、竹内教授は橋本イニシアチブという、寄生虫感染症の戦略の紹介を行い、原理事は日本で開発した寄生虫検査技術の移転を指導した。
 なお小張理事長、青木教授は20年間このセミナーを支援してくれた、中華医学会に対して感謝状と記念の盾を贈呈した。
2002年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)第25次派遣団にGRANTを供与した。
同研究会より下記の報告がなされた。
  派遣期間:平成14年7月17日~9月7日
  訪 問 国:ベラルーシ共和国、ブラジル
 【活動内容】
 ・ベラルーシ共和国:
 ①チェルノブイリ原発事故による甲状腺癌術後患者や一般住民を対象にした巡回検診、触診、超音波検査ならびにカウンセリングを行った。
 ・ブラジル:
 ①第15回日伯医学生会議に参加し、お互いの国の医療状況や医学教育の違いなどについて理解を深めた。
 ②シャーガス病罹患率の調査活動を行った。
 ③感染症専門病院を訪問し、日本では診ることのできない熱帯疾患について学んだ。
(2) 第5回MEMIC(Medical Microbiology
Interdisciplinary Commission:国際医学微生物学学際会議)シンポジウムにGRANTを供与した。
平成14年7月28日から8月2日の間フランスのパリにて開催されたIUMS(International Union of Microbiological Societies 国際微生物学会連合)会議において、同シンポジウムが開催された。(7月28日)
 国際的な学術活動のための最も権威ある機関であるICSU(International Council of Scientific Unions:科学連合国際評議会)を構成する26の団体の1つにIUMS(International Union of Microbiological Societies 国際微生物学会連合)があります。IUMSには60ヵ国122の学会が参加しており、細菌学、真菌学、ウイルス学の3部門に分かれて学術活動が行われております。MEMICは1986年、この細菌学部門の中に設置されたもので、細菌学分野のみならず、真菌学、ウイルス学や他の科学領域との学術的な連携を推進させ、医学微生物学研究の発展を目指す機構である。
 同シンポジウムでは「ヘリコバクター・ピロリと胃癌」をテーマにアメリカ、フィンランド、ハンガリー、イギリス、日本など5名の専門家による発表があり、世界各国より約130名の参加者を迎え活発な討論が行われた。
 ちなみに同シンポジウムの議長は杏林大学医学部教授の神谷茂先生(本財団評議員)が務められた。
2.JICA長期専門家
 ①1993年5月~1994年5月 
 イエメン結核対策プロジェクトチーフアドバイザーとして当国の結核対策の構築に貢献
 ②2001年8月~2003年1月
 ネパール地域の結核と肺の健康プロジェクト   チーフアドバイザーとして、ネパール全土に対するWHOの推奨する結核対策戦略であるDOTS戦略の全国への拡大、都市の結核対策、結核以外の呼吸器疾患対策に貢献。
3.国際共同研究
1995年10月~1997年3月
タイ国において「HIV合併結核の発生、進展、対策に関する総合研究」
2003年度 1.浅見記念GRANTの供与
(1)国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)第26次派遣団にGRANTを供与した。
同研究会より下記の報告がなされた。
  派遣期間:平成15年7月15日~9月6日
  訪 問 国:南アフリカ共和国、ブラジル、メキシコ
 【活動内容】
 ・南アフリカ共和国
 聖フランシスケアセンターにてHIV/AIDS患者のホスピスに参加
 ・ブラジル マナウス
 ①熱帯寄生虫医学研究所を訪問し日本では
見られなくなった感染症や熱帯特有の疾病などの対策について研修した。
 ②マナウス市健康保健局による巡回診療船に同乗、アマゾン河支流地域に暮らす住民の生活環境、医療事情などを学んだ。
 ・メキシコ
 ストリートチルドレンの現状調査を行った。
(2)MEMIC(国際医学微生物学学際会議)にGRANTを供与した。