竹内勤記念国際賞受賞者一覧 (第 1回~   )

第 1回(2018年)~

第 1回(2018年)~

(所属は受賞時の所属・敬称略)


年度
氏 名 所属・役職等 業績内容
第 1回
2018年度
石上 盛敏

いわがみもりとし
国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所
熱帯医学・マラリア研究部
上級研究員
医学博士
石上盛敏氏は、学部学生時代から現在に至るまで一貫して、発展途上国で熱帯医学、特に寄生虫症の分子遺伝疫学研究を行い着実な成果をあげてこられた。その研究スタイルは常に現地の研究者らと共に、時に寄生虫症の流行地域住民の目線に立ち、フィールド調査を実施し、各種データ及び検体を採取し、それらをラボで分析して対策につながるエビデンスを提供するというものである。2014年からは国立国際医療研究センター(NCGM)海外研究拠点の一つであるラオス国立パスツール研究所(IPL)に常駐され、マラリア、メコン住血吸虫症、及びタイ肝吸虫症の研究と対策をラオス保健省並びにWHOと共に実施されている。また研究と対策の他に、ラオス人若手研究者、並びに現地医療従事者の人材育成も精力的に行われている。これらの取り組みは、熱帯医学のあるべきオーソドックスな姿勢を顕示していると言えると共に、今後とも大いに活躍が期待される。
1997年から2004年の学生時代は、アジア諸国、並びに中南米諸国に流行する肺吸虫症、住血吸虫症、シャーガス病等のフィールド調査とラボワークを実施され、上記寄生虫症の感染率、分布状況、並びにDNA塩基配列に基づく分子系統分類を実施されてきた。スリランカでは肺吸虫の中間宿主貝の同定を初めて行われ、2004年からNCGM研究所に所属し、フィリピン、韓国、東南アジア諸国のマラリアのフィールド調査とラボワークを実施し、薬剤耐性マラリアの分布状況、並びにマラリア原虫集団の伝搬動態を明らかにされた。2014年から現在に至るまで、JICA/AMED SATREPSプロジェクトの一環として、IPL並びにラオス保健省と共に同国のマラリア、及び重要寄生虫疾患の研究・対策・人材育成を実施されている。同国における大規模マラリア・フィールド調査により、無症候性キャリアーの発見、アルテミシニン耐性マラリアの拡散状況の詳細な把握、並びにサルマラリア原虫のヒト感染症例をラオスで初めて報告された。さらに寄生虫症の診断技術の開発も行われ、また2017年からはWHOのテンポラリーアドバイザーとして、マラリア、並びにメコン住血吸虫症のWHOの地域対策会議での助言も行われている。