その他の国際貢献(1984~1993年度)

1974~1983年度 1984~1993年度 1994~2003年度 2004~2013年度
2014年度~2015年度 

1984~1993年度

1984年度 1.下痢症研究国際センター(以下ICDDR)への協力
本年度の事業は、ICDDRとの交渉が遅れ昭和60年3月5日より3週間の予定で派遣された。その目的・研究員は次の通り
  研究目的:下痢症患者におけるバクテリオファ-ジの動態調査
  研 究 員:東海大学医学部微生物学助教授
        古瀬 浩介 博士
1985年度 1.第4回 日中寄生虫病学セミナーへの協力
  昭和60年4月3日~5日まで第4回日中寄生虫病学会(会長 浅見敬三 教授)が開催された。初日の4月3日東京ガーデンパレスにおいて開かれた歓迎会の席上、大山理事長が歓迎の辞を述べた。
2.中華民国・高雄医学院より研究生の受入れ
  台湾・高雄医学院寄生虫学教室顔全敏助教授は、昭和60年11月5日より12月3日までの1ヵ月、千葉大学寄生虫学教室小島荘明教授のもとで免疫学的研修を受けるために来日したが、本財団の招待による。
1986年度 1.第6回日韓臨床病理学会議が、昭和61年4月12日に佐賀県医師会成人病予防センターで開催されたが、本財団より協力援助をした。
  学会長 東海大学   丹羽 正治 教授
  大会長 佐賀医科大学 只野壽太郎 教授
       延世大学   李  三悦 教授
              (Samuel Y.Lee)
2.国立台湾大学と琉球大学のB型肝炎に関する共同研究に協力援助をした結果、次の成果を得た。
 昭和61年7月、10月の2回、台北市において台湾大学内科学 宋教授・王教授と協議しB型肝炎に因由する消化器疾患の研究を実施、昭和62年1月には両教授が来日して経過討論を行なった。
  主任研究者 台湾大学 宋 瑞樓 教授
        琉球大学 小張一峰 教授
3.第2回中日国際微生物学会議・上海シンポジウムが昭和61年8月に開催されたが、その英文講演集の刊行に際し、西田尚紀会長(金沢大学医学部教授)に協力した。
4.韓国 順天郷医科大学より金 元培臨床病理専門医・高 蓮嬉臨床病理士の2名を昭和62年3月30日より4月5日まで招待受入れし、わが国の先天性代謝異常の新生児マススクリーニングの検査技術、方法、評価等を研修させ、あわせて来日中のニューヨーク州立大学のRobert Guthrie教授の講述(昭和62年4月1日)を聴講する機会を得させた。
1987年度 ◇研修生の受入れ協力
1.中華民国台湾 高雄医学院寄生虫学教室の郭美貞講師(Master of Sciences)を招聘し、千葉大学(小島荘明教授)、京都府立医科大学(吉田幸雄教授)、九州大学(石井洋一教授)、大阪市立大学(高田季久教授)、大阪大学微生物病研究所、奈良医科大学等で研修させた。
  期間 昭和62年7学22日より8月20日まで
2.国立台湾大学内科学 宋 瑞樓教授と琉球大学 小張一峰教授とのB型肝炎に関する共同研究に協力した。本課題は第2年度で、本年度で終了した。
1988年度 1.フィリピン・マニラ市の熱帯医学研究所
 埼玉医科大学 名和 優先生、山岡 邦夫先生の2名を派遣した。熱帯性ウイルス感染症のデング熱の予防法を確立するためで、この協力に対し、研究所長Dr,Mediadora C.Sanielより礼状が届いている。
2.第6回日中寄生虫病学セミナー
 5月16日より18日まで、順天堂大学 大家 裕教授が会長で開催された。中国から7名の専門研究者を招き、上海医科大、中山医科大、中国医学科学院の研究者の講演が行われた。
3.第3回日中細菌学会(上海シンポジウム)
 8月24日より27日まで上海市で開催された。その英文講演集作成に協力し、270部の講演集が中国全土、黒竜江省、新疆省、チベット広東省等の各大学、研究所に配付された。本財団の貢献が記載されている。
4.韓国順天郷大学金元培医師、朴美羅臨床病理士を招聘
 SEOUL市竜山区の順天郷大学母子健康センターで臨床病理医師、病理士として新生児マススクリーニングに従事している両名を招き、東京都予防医学協会検査室で研修させた。
5.ブラジル・レシフェの女医パトリシア・アントラージがアサミラボラトリーで1989年度フィラリア症を研究する奨学金を補助した。
1989年度 1.フィリピン・マニラ市の熱帯医学研究所Reseach Institute for Tropical MedicineのDr. Mediadora C. Sanielが来日し、平成元年11月18日、19日の両日、名古屋市で開催された熱帯医学会で特別講演を行うのに協賛した。
2.第58回日本寄生虫学会に協賛
 平成元年4月3日より5日まで東京で開催された、第58回日本寄生虫学会の運営に協賛した。
1990年度 1.第8回日韓臨床病理学会議兼第1回アジア臨床病理学会議
  開催年月日 平成2年6月1日~6月2日
本財団顧問であった故小酒井望順天堂大学名誉教授はこの日韓Joint Conferenceに尽くした貢献により「小酒井望先生を偲ぶ集い」が計画されたので協賛した。
2.MEMIC(Medical Microbiology Interdisci-plinary Commission)
  開催年月日 平成2年9月14日~9月15日
国際微生物学会連合の分科会として大阪市で「感染性下痢症の宿主抵抗」のシンポジウムが開催された。その抄録集には本財団の英文紹介文が掲載された。
3 第4回日中国際微生物会議
  開催年月日 平成2年9月11日~9月13日
岡山市で開催され「日本と中国における感染症の現状」という冊子を印刷。その本の第一頁には本財団の寄付が英文掲載されている。
4. Grantの提供
 韓国ソウル大学よりChong Guk Lee副教授、仁済医科大学よりWoo Yeong Chung助教授の2名を招聘、第11回国際腎臓学会議を中心に小児腎細菌感染尿症等の研究にGrantを提供した。
 北京医科大学のDr. Wang Huaは1989年9月より来日し順天堂大学医学部寄生虫学教室に留学した。日本学術振興会の助成は満1ヵ年、なお継続して研究するが為の研究費としてGrantを提供した。
1991年度 1.琉球大学医学部 牧野芳大助教授をフィリピン・マニラ市の熱帯医学研究所 ウイルス科に派遣、デング熱ウイルスの診断法の技術移転を行った。カウンターパートは、同研究所のMrs. Fems Paladinである。
  期間は平成4年1月7日~平成4年2月15日
2.Grant の提供
 ブラジル・ペルナムブコ大学より研修医Mrs. Severa Mottaは昭和62年より来日、慶應義塾大学医学部寄生虫学教室において博士課程の研究をつづけている。家族ぐるみの留学のため困難事多くGrant提供。
 中国より来日の医学保健関係の研究生Miss.張志芳(中国上海市出身)、Miss黎 巧萠(中国海南省出身)の2名にGrant提供。(学)大東文化学園・大東医学技術専門学校(板橋区高島平所在)高原喜八郎学校長の推薦をいただいた。
1992年度 1.第8回日中寄生虫病学セミナー:平成4年6月3日より6月5日まで東京・駿河台中央大学記念会館において開催。
  日本側会長 吉田幸雄(京都府立医科大学名誉教授)
  中国側代表 王 樹岐(中華医学会副会長)
であった。
2.中華医学会主催の中日国交回復20周年式典に派遣
 平成4年11月2日より5日まで北京市で開催された上記医学会式典に招待された。
  団長 小張 一峰  本財団常務理事
  団員 青木  孝   〃 評議員
   〃  森  雄一   〃  〃
   〃  西田 尚紀  金沢大学 名誉教授
3.MEMIC : 国際微生物学連合の下部組織であるMEMIC(Medical Microbiology Interdis-ciplinary Commissionの略)の英文刊行物の刊行に協賛。
4.Grantの提供
 (学)大東文化学園・大東医学技術専門学校は本財団顧問 故 小酒井 望先生が開学に尽力し、東南アジア、中国よりCo-medicalの留学生を受け入れている本邦唯一の施設である。
留学生より選抜された次の2名にGrantを贈った。
  中国     李 莉群
  スリランカ  Mohamed Haneefa Bathur Deen

―特記すべき事項―
 1978年開始された国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)への協力は、その南米への医師・学生派遣に毎年Grantを提供し続けている。
 ちなみに、研究会初代会長は故 浅見敬三医学部教授(本財団理事)である。
(以上、1993年9月発行本財団パンフレットNo.5より転載)

1993年度 1.浅見記念GRANTの供与
 (1) 長崎大学熱帯医学研究会にGRANTを贈呈。同研究会はタイ国において下記のような研修を行った。
  イ.第10回タイ国際研修(タイ保健行政に関する研修。
  ロ.チェンマイ大学医学部訪問及び学生との交流
  ハ.タイ北部における日本脳炎の疫学調査及び媒体蚊の生態学的研究
  ニ.タイ北部の山岳民族の生活と健康状態の視察 期間:平成5年7月23日~8月18日
 (2) 余涌修士(1989年上海医科大学寄生虫学を専攻)は1991年4月より来日1993年1月より順天堂大学寄生虫学教室(青木孝教授)において研究生として学位取得のため勉学にいそしんでいる。私費留学の為経済的に困難である。GRANTを贈呈、支援した。
 (3) 鈴木了司 高知医科大学名誉教授(寄生虫学)はかねて(財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)の中国におけるIP(インテグレーション・プロジェクト)実験地区の学術指導に携わって来た。中国予防医学科学院寄生虫病研究所(上海市)のフィールド調査計画がIPと密接にかかわりを持つため、GRANTの申請がジョイセフを介して行われたので、贈呈協力した。
 (4) 国際医学研究会(慶應義塾大学医学部学生組織)へGRANTを贈呈協力した。
  派遣事業内容
  イ.ベネズエラ、エクアドルの僻地における臨床体験実習
  ロ.ブラジルにおいて、団長による学術講演及び学術交流
  ハ.ブラジルのレシーフェにおいて、継続的に熱帯疾患に対する調査
  期間:平成5年7月17日~8月29日
2.琉球大学医学部第1内科比嘉太医師を平成5年6月9日より同年8月5日までタイ国チェンマイ大学医学部及び附属Maharaj病院へ派遣し熱帯学研修を行った。
 その主たる内容は、
イ.熱帯病の臨床 
ロ.HIV感染症の臨床
であった。
本研修の一部は第35回日本熱帯医学会総会に一般演題として報告された。
3.平成4年10月 小張常務理事は中国瀋陽市を訪問し、大山理事長の依頼により、研修生2名の受入れの打合せを行った。平成5年度の事業として下記の2名を研修生として受入れたが、煩瑣を極める入国手続きのため平成6年度に亘る継年の事業となった。
  研修生:斉 宏業 1957年4月9日生
           瀋陽市衛生防疫站 医師
      高 軍  1953年12月15日生
           瀋陽市伝染病院 医師
  研修先:慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学教室
      都立駒込病院内科
  期間:平成6年1月11日~同年7月10日