その他の国際貢献(1974~1983年度)

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1974~1983年度

1974年度  第1回アジア寄生虫予防機構会議(Asian Parasite Control Organization)への協力。
 この会議は第2次大戦後、わが国が寄生虫のまんえんに悩み、民間団体として発足した寄生虫予防運動の成功とその経験を、主として東南アジアの開発途上国へ移植して亜熱帯・熱帯に住む人びとの保健衛生の向上に役立てようという活動であって、その第1回の会議に協賛した。
  開催日時:昭和49年10月21日~26日
  開催場所:東京赤坂プリンスホテル
1975年度  アジア寄生虫予防機構会議(以下APCO)第2回会議が昭和50年10月21日より10月28日まで東京・ホテルニューオータニで開催された。主催事務局である(財)日本寄生虫予防会より協賛・後援の申し込みがあったがこれを見送り、APCO構成国の中で台湾より寄生虫防治に関する研修者を受入れた。
  開催期間:昭和50年6月5日~25日
  人 員: 氏 名    役 職
       曽 柏村  台湾省伝染病研究所長
       簡 錫謀  台湾省南投県衛生局長
       白 鑫泉  台湾省衛生処第1科長
1977年度 研修生の受入れ協力
 日本インドネシア医療協力会の招聘した、ヤルシイ医科大寄生虫学教室講師グン・ヌグロホ医師の東京滞在に協力し、同医師の国立予研・千葉大・東京慈恵会医大・東京都予防医学協会での研修を成就せしめた。
1979年度  第21回日本熱帯医学会総会(9月29日)において行われた特別講演“ラッサ熱”の講師Dr.カールM..ジョンソンを米国アトランタ市より招待し公開講演とした。ラッサ熱とは、アフリカに発生したウイルス性の熱病で、伝染力が強く致命率が高い。この熱病がわが国へ侵入することが警戒されている。
 Dr.ジョンソンは米国感染症センターのウイルス学部に属する学究でまことに時宜をえた啓発事業であった。
1980年度 1.下痢症研究国際センター(バングラデシュ)への協力の予備調査を実施した。本財団は下痢症センターへ昭和56年度日本人研究者を派遣することを要請された。バングラデシュ・ダッカ市に所在する下痢症センターの前身はコレラ研究センターで、国際的研究施設である。
 このセンターに日本人研究者を派遣する場合の受入身分、生活、研究等の条件の調査を慶應義塾大学医学部内科森下鉄夫氏に委嘱した。
2.昭和56年2月25日、日本経済新聞朝刊に韓国ソウル市駐在の日本人商社員夫人が、ソウル国際婦人協会をとおしてバザー収益金の一部を安養のハンセン氏病者の村に贈ったと報道された。金額は150万ウオン(約45万円)であるが、本財団はその美挙に感銘し醵金を日本経済新聞社に申し入れた。金額は50万円である。
1981年度 1.下痢症研究国際センター(バングラデシュ)へ協力をした。その内容は、昭和56年10月12日より12月16日におよぶ慶大附属病院消化器内科日比紀文医師の派遣と研究費の贈呈である。
2.中華民国高雄市衛生局検験技師が来日研修した。昭和57年1月27日台湾高雄市より、陳展誠、楊進輝の両検験技師(医学検査技師)が来日した。以後約1ヵ月(財)東京都予防医学協会の協力により、わが国の予防医学的集団検査の技法を学び、神奈川県予防医学協会・都立衛生研究所・埼玉県保健衛生協会の見学などもおこない多大の成果をえた。
1982年度  1981年10月、日本から5名の寄生虫学研究者が中国へ招聘されて、第1回日中寄生虫病学セミナーが開催された。それを受けて第2回日中寄生虫病学セミナーが住血吸虫症を中心テーマに1982年10月4日より6日までの3日間、東京都八王子大学セミナーハウスで開催された。受入れの委員会は次のようである。(当時)
  委員長 浅見 敬三(慶應義塾大医学部教授)
  委 員 横川 宗雄(千葉大医学部教授)
   〃  林  滋生(国立予防衛生研副所長)
   〃  大家  裕(順天堂大医学部教授)
   〃  安羅岡一男(筑波大医学部教授)
 中国寄生虫学学術代表団
  団 長 鄭   崗(中央政府衛生部血吸虫病防治局長)
  副団長 肖  英煒(江蘇省血吸虫病研究所)
  団 員 刘  約翰(重慶医学院寄生虫学教授)
   〃  黄  左鋮(中国医学科学院寄生虫学教授)
   〃  呉  観陵(南京医学院寄生虫学講師)
   〃  徐  君佩(上海第二医学院疫学助教授)
1983年度 1.下痢症研究国際センターへの協力
 本年度の事業は、昭和59年2月1日より1ヶ月の実施で、研究員は3月3日に帰国した。
  山口惠三(長崎大学附属病院 講師 医学博士)
  草野展周(医師、大学院、学生)
  餅田親子(長崎大学附属病院 検査部 技師)
2.レイモンド・クーン教授の招待
 米国ノースカロライナ州 ウェーク フォーレスト大学の生物学教授 クーン博士は、シャーガス病(トリパノソーマ寄生虫により中南米に多い)の免疫の大家であって、第5回国際免疫学会(昭和58年8月)が京都市で開かれた折に招待来日し日本の寄生虫学者とセミナーを開催した。
3.寄生虫学研修の目的で、中華民国高雄医学院より上級技師 石 正春氏を招き1ヵ月間日本各地の大学、病院で研修をした。
 氏 名 石  正春 昭和3年2月15日生
 略 歴 昭和20年 海南海軍病院
            マラリア研究所
     昭和23年 台湾大学医学院
     昭和58年 高雄医学院寄生虫学教室
 期 間 昭和58年9月5日~昭和58年10月4日
 研修先 第10回アジア寄生虫予防会議
     東京都予防医学協会、日立製作所、
     千葉大学、弘前大学、北海道大学 等